報道発表資料

この記事を印刷
2001年10月01日
  • 地球環境

第18回「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」総会の結果について

第18回「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」総会が、9月24日(月)から9月29日(土)まで英国・ロンドン市において開催された。
 総会においては、IPCC統合報告書の政策決定者向け要約( Summary for Policymakers)の審議・採択及び統合報告書本体の受諾が行われた他、作業部会の構成、インベントリータスクフォースの位置づけ等、今後のIPCCの活動に関する様々な方針が決定された。
 今後、来年4月(場所未定)に開催予定のIPCC第19回総会で、IPCCの新たなビューローが選出され、第4次評価報告書や各種特別報告書等の作成に向けての体制が構築されることとなる。環境省としては、今後とも地球温暖化問題に関わる国際的な検討に積極的に参画・貢献することとしている。

I.第18回IPCC総会の概要

開催月日平成13年9月24日(月)から9月29日(土)まで6日間
開催場所ロンドン(ウェンブレー)(英国)
出 席 者 ワトソンIPCC議長、オバシWMO 事務局長、クタヤール UNFCCC事務局長、各国代表など、総計約300人が出席。我が国からは、近藤気象庁気象研究所気候研究部長、木村環境省地球環境局研究調査室長をはじめ、谷口IPCC副議長、平石インベントリータスクフォース共同議長などが出席した。

II.会議の内容

1. IPCC統合報告書について
 IPCC統合報告書は、平成11年4月にコスタリカで開催されたIPCC第15回総会において承認された9つの「政策に関連した科学的質問(PRSQ)」に対して、本年4月にとりまとめられたIPCC第3次評価報告書及びそれ以前の報告書をもとに回答することを目的として作成されたものである。
 本報告書の執筆作業は各国政府や専門家の協力の下で進められ、これまでに報告書本体と政策決定者向け要約(SPM:Summary for Policymakers)の2部構成よりなる最終報告書案が作成された。今回の会合では、SPMの審議・採択が行われ、併せて報告書本体が受諾された。本報告書の主な内容は別紙のとおりである。
2. 今後のIPCCについて
 2002年以降のIPCCの活動について、主に以下の項目について審議を行った。
インベントリータスクフォースの取り扱い
 組織の形態については、インベントリータスクフォースを継続することが決定された。また、2人の共同議長(先進国及び発展途上国から各1名)と、12人のタスクフォースビューローメンバー(IPCC/ WMO地域区分毎に2名)により構成されることとなり、2人の共同議長はIPCCビューローメンバーとすることとなった。さらに、インベントリータスクフォースは、インベントリーに関する方法論及び実務を扱うものとし、これらの事項は、パネルの承認を必要とすることが決定された。
作業部会の構成、及びビューローの人数、構成、地理的バランス
 IPCCの作業部会の構成については、現行の構成(第1作業部会(科学的根拠)、第2作業部会(影響、適応、脆弱性)、第3作業部会(緩和対策)、及びインベントリータスクフォース)を継続させることが決定された。
 また、IPCCビューローは、現行の地域的バランスをもった30名で構成され、その内訳として、議長1名、特定の役割を担った副議長3名、3つの作業部会についてそれぞれ共同議長2名とビューローメンバー6名、及びインベントリータスクフォースの共同議長2名により構成されることが決定された。
3. 特別報告書等の作成について
 以下の各報告書等について、それぞれ提出されたスコーピングペーパー等を踏まえて作成についての審議が行われ、その内容、作業スケジュール等が以下のとおり決定された。
土地利用、土地利用変化及び林業に関するグッドプラクティスガイダンス
1996年に公表された、「IPCC国別温室効果ガスインベントリーに関する改訂ガイドライン」の中の、「土地利用、土地利用変化及び林業」に関する部分を京都議定書に対応させるため、「土地利用、土地利用変化及び林業」に関する温室効果ガスの具体的な評価、計測、モニタリング、及び報告方法についてとりまとめるものである。本報告書はCOP9への提出が求められており、今後、執筆者が選定され、2003年11月の完成に向けて作業が進められる。
気候変動と生物多様性に関する技術ペーパー
 本技術ペーパーは、これまでに観測された気候変化や将来予測される気候変化に対して生態系に現れる影響、緩和・適応オプションについての最新の知見をとりまとめるものである。執筆者は既に選定されており、2002年4月の完成に向けて作業が進められる。
4. 今後の予定
次回のIPCC総会は、来年(2002年)4月(場所未定)に開催されることとなった。なお、次回総会では、IPCCの新ビューローの選出が行われる予定である。

添付資料

連絡先
環境省地球環境局総務課
研究調査室(03-3581-3351)
室 長: 木村祐二(内線6730)
補 佐: 小野 洋(内線6731)
担 当: 永田眞一(内線6733)

Adobe Readerのダウンロード

PDF形式のファイルをご覧いただくためには、Adobe Readerが必要です。Adobe Reader(無償)をダウンロードしてご利用ください。